21世紀5873日目のオンガク

曲名:天と地と Heaven and Earth
歌:小室哲哉
1990年


小室センセイの歌声は,ちょっとあれだけど,映画『天と地と』の話しをしよう。

映画『天と地と』は,角川春樹が監督し,けっこうなお金を投じ,カナダロケで
越後の虎と甲斐のなんでしたっけ?えーと,まぁ,とにかく
上杉謙信vs武田信玄川中島合戦を,すんごいスケールで撮った,ハリウッド映画
なみの勢いだけはある映画だった。
制作発表の頃から鳴り物入りで,上杉謙信には,その3年前に
NHK大河ドラマ独眼竜政宗』で大人気になった,新潟ご当地出身の渡辺謙さんが決まっていた。

私は,独眼竜政宗の前の朝ドラ『はね駒』の時から,渡辺謙さんが大好きで,
源造さん(謙さんが演じたヒロインの夫)が理想の旦那さんだった。

で,独眼竜政宗も,気も狂わんばかりに1年間毎週欠かさず観ていた。

そして,いよいよこの,謙さんにふさわしいスケールのなまらでっかい映画の
主人公,しかも,謙さんの謙は上杉謙信の謙という,出身地のヒーローを演じるのだから
ファンとしても,「こりゃね,3回は映画館に行くね」なんて思って待っていた。

ところが,だ。
映画の撮影の終盤,カナダロケが始まった時に,謙さんが白血病であることが分かる。
謙さんは日本へ帰り,病いの治療を開始しなくてはならなくなり,降板となった。

その一報を,テレビのワイドショーで知った私は,後にも先にもないことだけれど,号泣したのだ。
謙さん死んじゃうかもしれない!(白血病は当時は不治の病のイメージだった)
と,思っての号泣だ。

私が号泣している間にも,カナダではロケが行われている。
謙さんに代わって急遽,抜擢されたのが,榎木孝明さんだった。
身長や体格が謙さんとほぼ同じで,榎木さんは乗馬が得意。
それで,謙さんの身に付けていた物をそのまま使って,ロケ続行。

日本のスタジオで撮っていたものも,再度,榎木さんで撮りなおして,なんとか完成した。
ただ,遠巻きに撮影して顔がわからないシーンや後姿は,謙さんバージョンをそのまま
使ったと言うから,映画館で,目を凝らして,「おお,これは謙さんの後姿に違いない!」とか
思いながら観ました。

結局,映画館に観に行って,映画のチケットが当たってもう1回観に行ったw
榎木さんもなかなかよかったんだけれど,いやぁ,やっぱり謙さんで観てみたいなぁ,
なんか今のデジタル技術で再編集とかで,なんとかできないものか・・・。

後日談も有名だ。
角川監督,榎木さんをたいそう気に入って,次の映画『天河伝説殺人事件』の浅見光彦役を
榎木さんで作った。そうして,榎木さんはテレビドラマでも「浅見俳優」としても有名になっていきました。

さて,小室センセイの話しに戻ってみる。
この歌は,あれだけど,映画の音楽を全部担当していて,サントラ盤を聞くと,
まぁ,なかなか和の音楽で,迫力のある曲もあり,映画を盛り上げている。
今でも時々,テレビの戦国時代の合戦のBGMとかで流れることがある。

久々に,熱く書いたので,少々疲れました。