21世紀6087日目のオンガク


曲名:Tara's theme from Gone With The Wind
   (『風と共に去りぬ』タラのテーマ)
作曲:Max Steiner(マックス・スタイナー
1939年


映画の金字塔『風と共に去りぬ』だと,思う。
戦前の昭和初期に,このクオリティと迫力。
映画館で上映した時,観に行ったねぇ。
やっぱり映画館で観るべきです。
その後,ブルーレイになってそれも買ったんだけど,かける機械が
壊れて,今観れない状態凹

風と共に去りぬアメリカの女流作家(といってもこれしか書いてないような)
マーガレット・ミッチェルが書いた小説を映画化している。

ただ,原作がそもそもだけど映画も人種差別色が強くて,アメリカでは
今もなお,反感を買っている。
KKKのメンバーの俳優もたくさん出演しているらしい。
なにせ,1939年なんてまだまだそういう時代で,今でもそうなのだから。

キャストの話しで言えば,
ヒロイン,スカーレット・オハラ役のヴィヴィアン・リーも,
レッド・バトラー役のクラーク・ゲーブル
あと,まぁ,3歩譲ってメラニー役の,オリヴィア・デ・ハビランド
いいキャスティングなの。
に,気が強くて我がままで,元祖ツンデレのスカーレットが,
何べん結婚しても,レット・バトラーと結婚しても,
16歳の時からずっとずっと恋している相手のアシュレーが,
なんとも年寄りの俳優さんで,レスリー・ハワードという。
名優なのだろうけど…,どうみても,とても年上のレット・バトラーの
ほうがいい。
スカーレットが恋い焦がれ続けるのには,だいぶ魅力が足りない。

アメリカの南北戦争時代を舞台にしているのだけれど,
スカーレット・オハラが,戦争を越えたくましく生き抜く恋愛ストーリー。
南部の大地主のお嬢様スカーレットは,美人で魅力的。
近所の大地主の息子で,品のいい文学青年みたいなおぼっちゃまのアシュレーに,
ずっと恋している。
きっと自分にプロポーズしてくるはずだと待っているんだけれど,
アシュレーは従妹の,気立てのよさだけが取り柄みたいなメラニーと婚約してしまう。
遅蒔きながらアシュレーに告白するスカーレット。
アシュレーも悪い気はしないし,スカーレットの魅力にひかれてもいるので
いいこと言っちゃうけれど,もうメラニーと結婚することは変えられないと,
スカーレットを振る。
その場面を,隠れて聞いていたのが,北部で得体の知れない商売をして
金持ちになった男の色気ムンムンの(^-^;;,ずいぶん年上のレット・バトラー。
気が強くて美人のお嬢様のスカーレットを気に入るが,スカーレットは
惹かれながらも,卑しい男だとレットを嫌がる。
なんとかして,アシュレーを振り向かせようと考えているうちに,
戦争が始まり,アシュレーはメラニーと婚約し,戦争へ。
スカーレットは,当てつけに,メラニーの兄と結婚。
しかし,結婚後すぐに従軍したメラニーの兄は,あっけなく戦地で亡くなる。
未亡人となったスカーレットに再び,レットが声をかけるが,
スカーレットはレットをそでにする。
アトランタの街へ移るスカーレット。
出産を控えたメラニーアトランタで夫アシュレーが帰還するのを待っていた。
しかし,戦争が激化。街に北軍がくるというので,スカーレットは
レットを頼り,街からの脱出を計る。レットが用意した荷馬車に
出産したばかりのメラニーと赤ん坊を乗せ,故郷のタラに戻るスカーレットと
レット。
戦火は勢いを増し,火の中を必死で逃げる荷馬車。
このシーンが迫力あります。
レットと別れて,自分で荷馬車を操り,なんとかタラの地までのがれた
スカーレットとメラニーだが,その土地も,戦争で焼け野原。
あれほど立派だったお屋敷も焼け崩れ,父親も気がふれてしまい,
何人か残っていた使用人や父親,妹達,メラニー親子を,
食べさせていかなくてはならないスカーレットは,
作物も実らない畑に残ったちいさな人参を掘って口にほおばり,
「これからは絶対飢えない」なにをしてでも「立ち上がって見せる」と,
夕焼けの丘の上に拳を突き上げて誓うのだった。
というところで,前半が終わり,間奏インターミッションが入る。

後半は,とにかく何をしてでも稼いで,お家再興をすすめるスカーレットの
悪女ぶりと,レットと結婚しても上手くいかず,
16歳の頃を引きずる痛いお嬢様ぶりがすごくて,
ほんとうに,映画のヒロイン中のヒロインという感じ。強烈。
周りの人はこんなヒロインにいいだけ振り回されるわけで,迷惑だけど。

妹の婚約者だったフランクがお金を持っているのに目をつけ,お金目当てで
自分が結婚しちゃったり,商売の才覚を発揮して店の経営を成功させ,
アシュレーを雇ったり共同経営者にしたり…。
方々から嫌われるスカーレット。
嫌われスカーレットに,命の恩人だと言って優しく接するのはメラニーだけ。
メラニーの天使ぶりも素敵です。
レットは貞淑賢母なメラニーが大好きで素晴らしい女性だと褒めるのだけれど,
(だから,旦那のアシュレーがなおさら嫌い)
やっぱりスカーレットのことが好きで,
未だにアシュレーのことを思い続けるスカーレットに,
ずいぶん傷つけられながら,揺れながら,レットが最後の決断をする。
こんなレットがとても魅力的なので,アシュレーのダメっぷりも増すのしょう。
レットが去って初めて,愛してるのはレットだったし,何より大事なのは
故郷のタラの土地だということに気づくスカーレット。
そして,最後の最後まで,懲りない,めげないスカーレットの強さが
却って羨ましくなるばかりでね。
なんだかんだいっても「明日もあるわけだし」というような,
超ポジティヴなのが,いい。

これになぞらえたような登場人物で明治の横浜が舞台の
大和和紀のマンガ『ヨコハマ物語』てのがあって,
こちらも面白い。連ドラか,朝ドラになればいいのに思う。