21世紀5896日目のオンガク

曲名:America(アメリカ)
映画『West Side Story(ウェストサイド物語)』サウンドトラックより
1961年


映画『ウェスト・サイド物語』は,私の母が大好きで,1961年当時青春を過ごした母は,
この映画のプエルトリコ系「シャーク団」のリーダー,ベルナルド役の,ジョージ・チャキリスが
大好きで,当時の雑誌の切り抜きをいろいろ持ってます。

ロミオとジュリエットをベースにした話しで,マンハッタンで抗争をつづける,
ポーランド移民の非行少年グループ「ジェット団」と,
プエルトリコ移民の非行少年グループ「シャーク団」ってのがあって,
主人公はジェット団の元リーダー,今はまっとうに働いているトニー君と,
シャーク団のリーダー・ベルナルドの妹マリアちゃんが,
敵同士でありながら,恋に落ちるという悲恋のミュージカル映画

で,トニーが主人公なのに,日本では(たぶん,アメリカでも),見た目も踊りも
ひと際,目を惹く,ベルナルドのほうが人気が出ちゃって,ジョージ・チャキリス旋風が巻き起こった。
まぁ,ダンスを見れば,本当に,カッコいいんだ,これが。
このシーンにジェット団側のトニーは出て来ないんだけど,
トニーは踊りも歌もそこそこで,主人公にしては,この俳優さん印象が弱いな~って感じ。

このシーン,「アメリカ」という歌は,
ベルナルドが,妹がジェット団のヤツと踊ってたのを見て怒って,
ジェット団ぶっつぶす!みたいな物騒な話しをしながら,ダンスパーティからみんなで
帰って来たという場面。
「ジェット団と戦争だ!」みたいに騒ぐ男子たちに,
ポーランドとかプエルトリコとか,いいじゃない,けんかしなくたってとたしなめる女子。

でも,男子は,そもそも不良グループですからね,アメリカにきたけど,俺たちは
プエルトリコの誇りがあるんだ,みたいに粋がっちゃって,

女子は,んなこといったって,ここに住んでるんだから,いいじゃない,と。
あんな,ちょっとハリケーンきたらすぐ水没しちゃって,人ばっかり増えて貧乏な祖国より,
ここでお金さえあれば何でも手に入る暮らしのほうがいいでしょ,と言う。

すると男子は,金がありゃいいけど,結局,いつまでたっても俺たちはよそ者。
プエルトリコのほうが良かったぜ,と言う。
女子は,「じゃ,プエルトリコに帰ればいいじゃない」と応酬。

というように,男子と女子が,アメリカの暮らし,自分達の移民のおかれている現状の
良し悪しを言い合う趣向になっている。

ベルナルドとその彼女のアニタが中心となって,面白く展開していく歌と,
のびやかなダンスが,かっこいいねぇ。
全編をとおして,シャーク団のカッコよさが際立つ映画,ぜひ観てみて。